外資系企業(外国資本の日本子会社)が取るべきグローバル・ミニマム課税への対応(2025年12月期について)
2024年4月1日以後に開始する会計年度から、グローバル・ミニマム課税のうち、所得合算ルール(IIR : Income Inclusion Rule)として、「各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税」が適用されます。本コラムでは、外国資本の日本子会社の2025年12月期につき、グローバル・ミニマム課税について日本税務上の観点から対応すべき事項を説明します。
なお、本コラムでは、日本子会社の傘下に海外子会社が存在していないことを前提としております。
1.適用対象となる会計年度
日本の所得合算ルール(IIR)は、2024年4月1日以後に開始する会計年度から適用されます。12月決算法人であれば2025年12月期から適用となります。
2.適用対象となる企業
IIRを含むグローバル・ミニマム課税の対象は「特定多国籍企業グループ等」です。「特定多国籍企業グループ等」とは、グローバル・ミニマム課税の対象となる会計年度の直前の4会計年度うち2以上の会計年度において、グループベースでの総収入金額(連結財務諸表におけるすべての収益の額)が7.5億ユーロ以上である多国籍企業グループをいいます。
2025年12月期の適用判定を行う場合には、2024年12月期、2023年12月期、2022年12月期、2021年12月期の4年のうち、7.5億ユーロ以上の総収入金額が生じた会計年度が2年以上あれば、適用対象となります。
一方で、当該4年のうち、総収入金額が7.5億ユーロ以上生じた年が一度もない(または一度しかない)場合には、グローバル・ミニマム課税の適用対象とはならず、次の3番で記載する書類の提出は不要となります。
3.適用対象となる企業が日本税務当局に提出すべき書類
最終親会社の所在地国のグローバル・ミニマム課税の導入状況等により、日本子会社が提出すべき書類が異なります。以下3パターンに分類して説明します。なお、下記の説明は、最終親会社等の所在地国においてIIRが導入されている場合には、最終親会社からその所在地国の税務当局に対してGloBE情報申告書(GIR:GloBE Information Return)が適切に提出されていることを前提としております。
- 最終親会社の所在地国においてIIRが導入されており、かつ、当該国と日本国との間にGIRの自動的情報交換が実施されている場合
最終親会社の所在地国が英国や韓国である場合はこれに該当します。
日本子会社から日本税務当局に対して、「特定多国籍企業グループ等に係る最終親会社等届出事項等」を提出します。これは、移転価格税制に係る文書化における「最終親会社等届事項」とは異なる書類である点にご留意ください。なお、「特定多国籍企業グループ等報告事項等(GIR:GloBE Information Return)」は提出不要です。 - 最終親会社の所在地国においてIIRが導入されているが、当該国と日本国との間にGIRの自動的情報交換が実施されていない場合
最終親会社の所在地国がドイツやフランスである場合はこれに該当します。
原則として、日本子会社から日本税務当局に対して、「特定多国籍企業グループ等報告事項等(GIR:GloBE Information Return)」を提出します。 - 最終親会社の所在地国においてIIRが導入されていない場合
最終親会社等の所在地国が米国や中国である場合はこれに該当します。
原則として、日本子会社から日本税務当局に対して、「特定多国籍企業グループ等報告事項等(GloBE Information Return)」を提出します。
4.日本税務当局に提出すべき書類の提出期限
IIRの対象となる会計年度終了の日の翌日から1年6か月以内となります。よって、2025年12月期については、2027年6月末日が提出期限となります。なお、次年度以降の提出期限は、会計年度終了の日の翌日から1年3か月以内となります。
本コラムは2026年7月31日現在の情報に基づき記載しております。今後、日本国の税制改正や各国のグローバル・ミニマム課税の導入状況等により、外資系企業の日本子会社に適用される課税関係に変更が生じる可能性があります。つきましては、本コラムで、グローバル・ミニマム課税への大まかなイメージを把握いただいた上で、各会計年度につき各日本子会社に適用される個別具体的な課税関係については、別途ご確認ください。
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